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2013年10月05日 (土) | Edit |
2013年9月14日 第15回 人間と演劇研究所からだとことばのレッスンWS
  『あやとりの記』石牟礼道子さんの作品の朗読を目指しレッスンを進めました。

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  「語られることば、目で読むのではなく、声に出して読むことで人の声を通して物語の世界が立ち現れてくる。」
  「ことばの響きがリズムを持ち、声音として発されることによって、語り手と聞き手のからだの奥底に震えをを起こし、感情やイメージを表出させる。」

  西欧でいえば、詩の朗唱やストリーテリングがこれに中るのでしょうが、現代日本語で書かれた文章には、こんな力を秘めた作品は戯曲以外ではあまりお目にかかることがありません。現代日本では、小説や詩の言葉が目で読むことを前提に書かれることが多いためだと思います。

  宮沢賢治さんの童話の文章の面白さは、目で読むととても難解なのですが、声にしてみると自然とその内容が浮かび上がってくる、そんなふうに書かれているところです。恐らく賢治童話は、身近な人に語り聞かせることを前提に書かれているからだと思います。囲炉裏端の昔語りのような文体と云ってよいかと思います。

  以前から私は、水俣病を題材にした石牟礼道子さんの作品『苦海浄土』はとても惹かれていたのですが、最近になって石牟礼さんの他の様々な作品に目を通したところ、宮沢賢治さんの文章に匹敵する、言葉の力を発見し、ぜひからだとことばのレッスンのテキストとして、声に出して読んでみたいと思っていました。

  機会が熟したようです。最近は参加してくれる方達の興味関心に即して、その場でレッスンを組み立てていたのですが、今回は物語(朗読)を前提にグングン走ってみました。

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 からだは誰もが柔らかくできています。足から揺らしてからだの軸を弛めます。

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 足脚の緊張を弛めます。

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 足脚の緊張を弛めます。息が深くなります。

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 股関節の緊張を弛めています。

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 声がよく出るように、背中の緊張も弛めます。

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全身から響き出す、良い声が出てきました。

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『あやとりの記』石牟礼道子さんの作品の朗読です。


参加された皆さんの感想
M.Sさん
あたかかく すっきりとした からだに出会いました。
S.Yさん
唄でも 朗読でも 気持ちをのせて ことばにいのちを与えてゆくのは
(できてない できているつもりかも知れないけれど)
とても 楽しく しあわせな 作業だなぁ と思いました。
今日は からだほぐしがなかったので
字が ちょっと きれいでしょ?(笑)
K.Yさん
歌はマイッタ!
声を出す(語る)のはもっとしてみたい---昔 詩の朗唱(朗読で
はなくて)をしたことがあり、思い出しました。

からだをゆるめるとき、いつも右から、で 右のときの方が時間が
長いように感じますが----(もう少し左も、ということかな?)。
途中でまっすぐに脚を置き直されたとき、すごく違和感が
あり.(ねじれている、とは言われていたので)もう少し検証
してみたいと思いました。(いずれ機会をください)
T.Mさん
時間が長めだったのでゆったりできました。
ペア交代はできるとうれしかったですが。
声を出すレッスンは、合唱をやっている時にできたら、
すごくいいだろうと思います。
日常の中でも力のある声をみつけていければ
いいなと思います。
T.Sさん
初めて経験するW・Sだったので、参加する前は、少し不安な気持ち
もありましたが、W・Sが進むうちに徐々に体もほぐれてきて、
リラックスできるようになりました。
また、歌を歌ったり、本を音読するのは、最近していなかった
ので、少しはずかしい気持ちもありましたが、
先生の 指導に従って声を出すうちに、発声が大きく
変わっていくのが、わかりました。
今回の経験を基に、毎日の生活で人と会話する時
など気を付けていけるようになりたいです。
今日は、ありがとうございました。
瀬戸嶋より
 時機到来かもしれません。
 ここしばらく『からだとことばのレッスン』のうち、「からだ(野口体操)」に重点を置いてのレッスンを続けてきました。「ことば」に触れるためには、からだの感覚が十分に開れていることが前提になります。緊張によって凝り固まった身体では、言葉の豊かさを表現することが出来ません。細やかな言葉のリズムや声音の変化に自在に対応することが出来る、からだのしなやかさと感受性が先ずは求められます。
 ことばとからだが響き合い、イメージや感情が動き出すとき、ことばとからだは一つになって働き始めます。近代的心身二元論によって、バラバラにされてしまったからだとことばの連帯感や一体感の蘇生・復活が、レッスンの目指すところです。


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