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2013年09月25日 (水) | Edit |
2013年8月30日 第13回 人間と演劇研究所からだとことばのレッスンWS
 姿勢はその人の心と身体の状態を的確に語っています。
      
 参加者の方が、瞑想が出来ないで困っているといわれるので、先ずは「坐」ってみましょうと、いきなり坐禅のポーズです。坐禅というと、宗教の修行と思われがちですが、現代では心身の健康法として随分と普及してきているようです。

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 床に座布団を敷き、正座・胡坐・半跏趺坐・結跏趺坐など自分が楽な座り方で腰を落ち着けます。からだの緊張を自分なりにゆるめて、お臍と鼻先、耳と肩の位置がそれぞれ鉛直上で一致するように姿勢を整えます。視線を畳半分ほどの前方に置き、鼻で息をしながら呼吸に伴うお腹の内側の変化に注意を注ぎます。先ずは10分程度。

【坐を組む(=坐禅のポーズを取ることです)と、その人の姿勢(心と身体)の特徴が良く見えてきます。姿勢を整えようと一生懸命頑張ってからだを緊張させている人。骨盤(腰骨)が後傾してお腹がへっこみ圧迫されて苦しそうな人。重心がお腹に下りないためにグラグラモジモジと姿勢が不安定な人。苦悩と闘っているかのように顔の怖い人、表情の暗い人。
また、個人と云わず、全体の印象ですが、苦痛に耐え自分を鍛えるのが坐禅や瞑想の目的と思いこんでいる人が多いようです。もちろん坐禅には厳しさがありますが、それは肉体的な苦痛を克服するのが目的ではなく、心の苦悩を乗り越えていく厳しさです。坐すること自体は心身に心地よく深いリラックスを求めます。だからこそ、自分を無意識に縛り操る情念に向かい合いそれを超えて心身共に自由な自分を獲得することに、全精神を集中できるわけです。そこまで厳しく考えずとも、気持ちよく楽ににこやかに坐するのが座禅と考え、日々短時間で構わないので継続すれば、心身の健康と安定がもたらされます。】

 ともあれ、実際に坐ってみると、足腰の強張りが目に着きます。股関節と骨盤の回りに緊張があり、そのことが呼吸の深まりと座の安定を妨げています。最近レッスンの定番となっている、四つ這いの動き(野口体操の背中の百面相)と猫の欠伸のポーズ(ヨガのポーズを野口体操で応用)で、足腰の強張りを緩めて行きました。

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【四つ這いになって胴体の力を抜き重力に任せると、肩から腰にかけて、ハンモックのように滑らかな曲線を描いて胴体がぶら下がります。ところが肩や腰の緊張が強い人は、その部分を持ち上げたまま、下方に降ろすことができません。そこで、部分の緊張を緩める練習をします。先ずは緊張を指摘し、その部分を動かしながら、力の抜けた感覚を探っていきます。実は、このような緊張は誰もが多かれ少なかれ、無意識に身体に負っています。一般に、頑張る練習ばかりで、力の抜き方を練習する機会のないことが原因のようです。】
  
 ネコのあくびのポーズも、同様に身体背面の緊張と、足腰の緊張を緩めるために効果てき面です。

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 丁寧に身体の強張りを緩めてから、改めて坐を組むと、呼吸が深く腹・腰部に下りて、同時に重心が下がり、ダルマさんのように、自然に姿勢が安定しました。力ずくで無理に姿勢を真っすぐにする必要はありません。呼吸に集中すれば姿勢が整い、坐することの清々しさと心地良さが感じられるようになります。坐禅では「姿勢を支えるのは呼吸である」と云います。筋力によらない、つまり筋トレをしなくても、自然と姿勢が良くなり心の解放感を得られるのが、坐禅の面白さであり不思議さです。

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【からだとことばのレッスンの創始者竹内敏晴は学生時代、弓の名人でした。和弓は禅の心身観に基づいた武芸です。からだとことばのレッスンを理解するために、私(瀬戸嶋)も禅堂で坐ったことがあります。三泊四日の一度きりの座禅会参加でしたが、大変貴重な経験をして帰りました。野口体操もまた、近代的な西欧に発する身体観だけではなく、日本文化や東洋的な身体観に深く触れて、構想実践された体操です。】

これからの時代、身体の外面的な運動以上に、内面的な心身の動きや働きへと、関心が移ると思います。とくに心と身体のストレスケアに、「坐」は大きな効果をもたらしてくれるでしょう。他者とのコミュニケーション以前のところ、先ずは自分自身の心身とのコミュニケーションを掴まえなければならない時代になったようです。これまで、レッスンの中に「坐」を積極的に取り入れることはありませんでしたが、どうやらそれが必要なになってきているようです。
参加された皆さんの感想
K.Iさん
今日はどうもありがとうございました。
しているつもりで、実は呼吸ができていないこと。
自分の体がとてもやわらかい事。
〝感じる″という事。等々、実感することができました。
これからは 何をするにも まず 息を〝おとす″ことから始めたいと 思います。
T.Mさん
自分で帰ってやってみようと 思うものを 2つ知ること
ができました。 まっすぐすわる。 まっすぐ立つという感覚
をいつもよりつかめた気がします。
座することはこれからひんぱんに 自分でやると思います。
瀬戸嶋より
地に足を着けてといいますが、私も含めて、油断をすると知らないうちに身体の中身が浮ついてしまっているような。自分のベース(土台)を保つには、毎日と云わずとも、時々に身体の声に耳を傾けることが必要な時代になったようです。「坐」とは個人の姿勢であると同時に、一座と云うようにその場を表します。一人で「坐」を組んでいくことは案外努力がいるのですが、みんなで坐ると自然と集中度が深まります。坐禅に限らず、グループワークでは皆で課題に取り組むことで集中が深まり、日常を越えた新たな発見が生まれます。自分の身体を発見し直したいと思う人、出会いを深めたいと思う人、どうぞいらして下さい。
  
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