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2013年07月24日 (水) | Edit |
2013年7月21日 第11回 人間と演劇研究所からだとことばのレッスンWS

「からだを感じる・声を出す」ワークショップ@小平市

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「本日は欠席します」のメールをお二人から頂き、今日は誰が来てくれるかなと?と会場入りしました。けれども参加者は結局私一人。「今日は、自分のためのレッスン日~♪」と決めてゆるゆる体操を始めました。

ここのところ自分の身体をケアする時間が取れていなかったので「ラッキー!」
からだをゆるめながら、からだの内側の感じに集中していくと、びっくりするほど身体が爽やかで明るい。状況は相変わらずいろいろ大変だけれど、からだは道を間違えることなく、さらに細やかに優しく成長を遂げていました。

この際せっかくだから、野口体操の実技を「これない人にも見てもらおう!」と、ビデオを前にゆるゆる体操です。


野口体操(ゆるゆる体操)~うごきのいろいろ

中心軸を開く~天地の踊り
まずは、身体をほぐしていきます。自由に感じるままに動きたいように動かしたいように。基本は、波、揺れ、旋回の動きです。もちろん大切なのは、力を抜くこと。



見かたのコツは、足の裏です。良く動くところに目を奪われると、見飽きてしまいます。足のうらはピタリと床について、ほとんど動いていないのが分かるでしょうか。足のうらは、地面の一部と化してしまったかのようです。自意識で運動しているというよりまるで操り人形です。大地に足を盗られて虚空に魅せられ踊らされています。



四つ這いの脱力~揺れる吊り橋
最近のレッスンで、必ずといっていいほどに、紹介している野口体操です。地面に近いところでやる運動なので、安心して力を抜くことに集中できます。胴体は、四本足の柱に支えられてぶら下がり、重さ(重力)に任せて脱力していきます。
肩こりや、背すじ、腰の不快感の解消には、もってこいの体操です。



からだの揺れや流れに任せる動きで、筋力(緊張努力)はほとんど使っていません。分かりますか?
最後はからだの重さを地面にあずけきって「ネコのあくび」です。



ねじり腹式脱力呼吸~地面と仲良し
足腰の重さと腕肩の重さを利用して、背すじを捻っています。脱力したまま腹部で深呼吸を繰り返すと、ねじれが深まり背すじの強張りがゆるんできます。仰向けに寝ると、背中側が床にぴったりとくっ付き、大へん寝心地がよいので思わずウトウトも。



自然と深い横隔膜呼吸(腹式呼吸)になります。腰が反り返って固まっていては息が深くなりません。私にとっては唯一無二の呼吸練習法です。



後ろ転がり~首・肩・背中・腰のローラーマッサージ
背骨を一個一個、順番に床に触れ、背すじの両脇の筋肉を体重でプレスしてほぐします。肩に重心が移ったら、肩の上で柔らかく丸まって、からだを揺らして脱力します。動きは滞ることなく滑らかに。



滑らかな重心移動が難しいけれど、微妙なバランス感覚を育てるのが大切です。からだを緊張させて勢いと弾みでやるのは意味がありません。ねじり『ねじり腹式脱力呼吸』と合わせてやると、背筋が伸びて姿勢が良くなります。



股割~脚・足の脱力
脚の付け根(股関節)から、脚・足先へと波の動きを伝えています。動きとして目につくのは上半身の揺れ動きですが、メインとなるのは脚の中の小さな揺れ動きです。脚の中の微妙な変化を感じ取るために、軽く目を閉じて、注意を脚の中に注いでいます。



とくに脚の付け根(股関節)には、十分に注意をむけてほぐします。全身の動きと呼吸の要です。力ずくで深く前屈する必要は全くありません。股割の姿勢がつらいときには、お尻の下に座布団を敷き腰を持ち上げます。



四つ這いの脱力~休息の姿勢として
直立しているときや座位のとき、重力に逆らって無理な緊張を背中や腰にかけてしまいがちです。この姿勢では、重力が背中や腰の筋肉を伸長させる方向へと働きます。
胴体はハンモックのように、肩と腰の間にぶら下がっています。揺らして緊張を解き、腕を前に下せば、上半身はなだらかな曲線を描き、地面に垂れ下がります。脱力に馴れれば、大へん心地の良い休息の姿勢になります。



一日の緊張をゆるめて、心地よく眠りに入るために、この体操はお勧めです。



ぶら下がり・体軸旋回・波の動き~動きのバリエーション
ここまで紹介した一連の体操(01~06)で十分にからだがほぐれました。仕上げにやっておきたい動きをチョイスして動いています。からだの動きを妨げる余分な緊張を取り去る(脱力)ことで、大胆で滞りない動きができるようになります。



細かく見ていくと、一連の動きの中に7種類の体操の動きが入っています。区別がつきますでしょうか?



野口体操の逆立ち~ヨガの逆立ち
頭の天辺一点に全体重をかけて立っています。両腕は微妙にバランス調整をしていますが、つっかえ棒のように固めてはいません。立ってからは、横隔膜呼吸(腹式呼吸)を繰り返しています。呼吸につれて、植物が天に向かって伸びるように、姿勢が整ってきているのが分かりますでしょうか?



人が立つとき、姿勢を支えるのは呼吸です。決して筋力による頑張りではありません。



想像力で空間に水平面を創る~集中力の練習
正確な水平面を創り出すには、身体の緊張が解放されていなければなりません。身体の緊張が解放されることで、身体の動きが自由自在となり、対象となる人や物への深い集中が可能になります。



野口体操によって身体の隅々まで緊張を解きほぐし、身体全体の感覚を目覚めさすことで、私たちの身体に本来備わっている精妙な働きが活性化します。



野口体操~逆立ち
立った瞬間に、一瞬ですが姿勢(身体のうごき)がキマル(極まる)のが分かりますか?内側を力が満たし、クッキリと姿勢が浮かび上がるとでも言いましょうか。鯉幟が満帆の風をうけて輪郭を鮮やかにする…?



姿の勢いと書いて「姿勢」です。姿勢で大切なことは頑張り・威張り・格好着けではありません。姿から発される勢いの有る無しが大切です。



上下のゆらしと四股のポーズ~脱力と緊張
大きな力を出す前提はより力が抜けていることです。緊張している筋肉はそれ以上収縮することが出来ません。脱力しているからこそ、筋肉は収縮し力を発揮することができます。力を抜く練習は、力を入れるための練習でもあります。



上下のゆらしでは、全身の力がゆるんでいます。四股のポーズでは全身が張りつめて姿勢を支えています。極めのポーズ=四股が出来るために、無駄な力みや不自然な身体の歪みを取り去ることが必要です。また四股のポーズを繰り返し練習することで、無駄な力や歪みが解消されていきます。



尻叩き~足腰の解放運動
足・脚の脱力の動きです。弾み上がって尻を叩き落下するまで、動いている脚の筋肉は使っていません。軸足の膝の屈伸と微妙な上下方向の動きで、力が抜けたままの脚を弾みあげています。



私たちは、意識(脳)が指令を下し、筋肉を緊張させて身体を動かす、と云う図式(考え)を信じ込まされています。この動きは、その考え方に疑問を投げかけます。意識による緊張努力が大切だ、という常識になっている既成概念を覆します。意識して緊張すればするほどに、この動きは出来なくなります。大切なのは、からだの力を抜くことが、本当の意味で分かることです。野口体操の真骨頂の動きといえます。



「お疲れさまでした」

最後まで、目を通していただけましたことに、感謝します。でも「何が何だかわからない!」「どんな意味があるの?」「効果は?」と、ほとんどの方が思われるのことでしょう。

「力を抜く」のは正体を無くしていく作業です。決まりや動きのパターンを取り去っていくことで、からだの奥に潜む自然の力を取り戻していきます。中国の道教では混沌といいます。そこからコスモスは生まれてきます。

野口体操を理解する方法、それは自ら実際にやってみることです。意味も効果も、実行することで自然と分かってきます。ちゃんとできる必要はありません。自分なりに見様見真似でやってみて下さい。

動きの良しあしを計る目安は気持ちの良さです。「気持ちいい!」=「良い動きが出来ている!」となります。

自習の参考になればと動画を編みました。お役に立てれば幸いです。

人間と演劇研究所 瀬戸嶋 充




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