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2020年06月08日 (月) | Edit |
名称未設定 38

あと三冊で、Book Cover Challenge を終える。今日で38冊目、38日目だ。さすがにここまで来て、筆が重くなる。山頂間近の最後の急登攀と言うところか。

新型コロナの蔓延のなかで浮き上がってきた、感染者や医療関係者への偏見と差別。背景にある企業の利益を優先する政治家の情報操作。情報の隠蔽。利益供与。特定の民族・人種・職業者への攻撃や犠牲・売名の強制。

そこに「なぜ?」こんなことが!と思える人には、ぜひ読んで欲しい。答えはこの一冊の中に修められている。

自分たちの利益を計るために、企業や政治家が結託し、生活者に近代化(近代化とは非個性化・均質化の別名)を無理強いし、個々の掛け替えのない健康と生活を略奪するところに起きるのが公害だ。人工廃棄物が人々の命を脅かし生活を奪いコミュニティーを破壊した例は、いまやだれもがよく知っていると思う。

水俣不知火海沿岸の漁師として、ささやかながらも、海洋と一体の幸せな日々を暮してきた人々。何の罪も無い人々の生活を支える、その中心となる「不知火海」に、有機水銀を垂れ流したのがチッソ(日本窒素肥料株式会社)という会社である。

当時、近代化学工業の発展に欠かせない、窒素化合物の精製で財を築いた会社、日窒(チッソ)。それが利潤を優先して濾過処理をすることなく、廃棄物「有機水銀」を海の中に直接に大量投与した。自然破壊ではない。殺人である。

海洋汚染は、恵の海から魚介を採取しそれを食して生活していた人たち(漁民)の健康と生活を、さらにはコミュニティーをも破壊した。国はチッソの犯罪行為を隠ぺいするために、全力を挙げた。

国と企業の結託による私たちの生活といのちの破壊は、明治時代から繰り返されてきた。我が師 林竹二 は、明治の政治家「田中正造」の研究を進める中で、足尾鉱毒事件による谷中村(農村)の破壊について詳細を論じている。その研究が時を経て石牟礼さんにも受け継がれている。

人間は人間であることによってのみ、救われるのでは無いだろうか。

世間の表側ばかりを見ていると、こういう記録は眼に入らないらしい。けれどもコロナ禍の根は、過去に十分に解明されている。ぜひこんな機会だからこそ『苦海浄土』に眼を通してみて欲しいと心底から願う。

ここを通らない人たちの賑やかなコロナ談議に、私は耳を貸す気になれない。

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