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2015年06月09日 (火) | Edit |
2015-05-21 034ed

脱力ワーク(野口体操)では、たびたび地球の引力(重力)の話をします。

「立っている」ときに、地球の引力は、私たちの身体を地面に向かって引き下そうとします。だから普通には、自分はからだを固めて(緊張させて)重力に逆らって、努力して「立っている」と考えてしまうのでしょう。

「立っている」ことは草臥れる。労力を要し疲労することだと、決めつけてしまっているようです。「人類は重力に逆らって立ちあがって来た」などと誇らしげに、人間がさも大ごとをクリアして来たような言い回しをしてしまう。

「立っている」ことについては、このような考えが一般化しているように見えます。立っているのは大変なのだから、寝るなり坐るなりして休まなければならないとも考えているようです。

さて、「立っている」のは「骨の力」に拠るといったら、どう思われるでしょうか。積み木を積み上げるように、足もとから順々に骨を重ねて行く。足の骨、脛の骨、大腿骨、骨盤、背骨(椎骨)、首の骨、そして頭蓋骨をその上にのせる。バラバラの骨のつながりを、上手くバランスを取りながら、積み上げて行きます。

微妙なバランスですが、上手く積み上げれば、骨のつながりそれ自体が重力を受け留める柱となります(形状としては真っすぐな柱ではありません)。このとき、骨のつながりは、外部からの支えを必要とせずに、自立することになります。(現実には筋肉の微細な動的サポートを必要とします)

こうして地面に立てられた骨の柱に、皮膚や筋肉・内臓等々、要は骨以外の人体のパーツを被せてみる。コートハンガー(直立式の衣紋掛け)に衣服を掛けるように、全てのパーツを吊り下げていけば、体重のほとんど全てを、骨の柱で支えることができます。

身体の緊張や強張りは、コートの皺が自重で引き伸ばされるように、骨の柱にぶら下がったまま、地球の重力によって引き伸ばされ緩んでいく。

骨を積み重ねて、それを芯棒(心張棒)にすれば、その他の身体のパーツは、地球自身が地面に引き下そうとする力(引力)によって、地球の中心に向かって、強張り(緊張)が緩められて行くのです。

ほどよく弛みきれば、ダルマさん(起き上がり小法師)のように、重心が丹田に安定する。筋肉(筋緊張)は、繊細微妙に骨のつながりを微調整する役割にまわり、筋肉自体が姿勢を固定し支え続ける苦労(緊張努力)から開放されます。

体重を忘れてしまったかのような、軽快感が心と身体を満たし、いつまでもそのまま立ち続けていたくなります。骨のおかげです。

【重力(地球の引力)は敵ではありません。地球の思い=重いに支え包まれて、私たち人間は養い育てられているのです。骨は岩石のように大地に属するものかも知れませんね。「立居振舞」と云いますが、立つこと坐ること行動すること舞うことも、大地が骨を通じて力を添えてくれているようです。】

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