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2015年02月09日 (月) | Edit |

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「四つ這いになって胴体と首の力を抜いて下さい。」みんな、四つ這いになったは良いのですが、どうしたら力が抜けるのか戸惑っている様子。居心地悪そうに四つ這いのまま固まっている人、どうやれば良いのかとまわりを伺う人、背中をブリッジのように持ち上げている人、首をカメのようにもたげる人・・・。

「首を持ち上げている人、背中を持ち上げている人、それは力を入れて持ち上げていることですね。下してください。」指摘されて、首や背中(胴体)を下してみるのですが、酷く不安定な感じがするのでしょう、安定を取ろうと力が入り、また無自覚のうちに首と背中が持ち上がってきます。

「そのまま胴体の中身を左右方向に揺らして、胴体の(筋)緊張を弛めていきます。」背中や首に注意を向けながら左右に動かすと、胴体内部の筋緊張が緩み、背中は床のほうへ弓なりに垂れ下がって行きます。肩からお尻へと吊り橋を架けて、それが風をうけてユラユラ揺れているような感じ、からだの中身が波になって揺れているような感じです。

「肩甲骨と肩甲骨の間を感じながら左右に揺らして下さい。」「おヘソの裏側の腰のあたり。」「骨盤の後ろ、仙骨のところも。」部分部分も緊張を弛めていきます。

からだの緊張を弛める感じが分かってきたようです。みんなの背中が波打つように動き出し、ゆったりとした雰囲気が漂います。「腰を後ろに引いて、起きて来てください。」力が抜けた胴体の中を、空気が吹き抜けるようにして、からだを起こし坐ります。緊張からの解放感が、みんなの表情を暖かく明るいものにしています。

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「力を抜く」(脱力)というのは、からだ(=こころ)の内的な変化が、どんな些細なものであれ、筋緊張(身構え)の障害に合うことなく、繊細敏感に行動や表現に現れることのできる状態を用意することです。からだとこころが一つになって、自由に動けるよう、下地を準備すると言っても良い。

「四つ這いの動き」と呼ぶこの脱力ワークの特徴は、筋緊張を解除(脱力)するために重力(地球の引力)を利用していることにあります。からだの中身を左右に揺らすことで、からだの中で小さな伸縮運動が繰り返され、筋肉、その他の器官・組織など、ちょうどマッサージ受けるように、強張りが溶きほぐされていきます。ときほぐされた身体組織は、さらに重力によって伸長され、僅かづつではありますが、限りなく下方へと緩んで下りていきます。胴体や頭を、地球がその中心に向かって引き下してくれることになります。

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2~3度、四つ這いの動きを繰り返すことで、みんなこの姿勢に馴れてきました。そこで「二人組になってもう少していねいに観ていきましょう。」一方の人が四つ這いの動きをします。もう一人が動きの状態を見てみます。こんどは、人の手(目)を借りて、からだとの出会いを深めていきます。

「先ずは背中の力が抜けている(感じがする)かどうか、見てあげてください。力が抜けていれば、胴体は、ロープや薄布を垂らしたように、軽く柔らかく動くはずです。」動きを見ていると、良く動いているわりに、少々動きが重々しい感じがします。

「背中を見ていて気になるところはありませんか?」背中全体は、波がうねるようにして動いているのですが、良く見ると動きの鈍い部分があります。肩甲骨から首の辺りが緊張して硬い感じがしたり、お臍(へそ)の後ろ側が重力に逆らうように持ち上がっていたり、背中がわずかに反り上がっていたりと、一人一人、力が入っているポイントは違うのですが、十分に脱力が出来ていない部分が在ります。この緊張がからだの自由自在な動きを妨げているわけです。

「見ている人が、気になるところ(緊張ポイント)に手の平を当ててください。四つ這いになっている人は、触れてもらったところを感じながら、そこを小さく揺らして弛めて下さい。」自分では力が抜けているつもりでも、筋緊張が固着してしまい、感覚が鈍くなってしまっているポイントが誰にでもあるものです。人の手を借りて、そのポイントに意識を向け、感覚を目覚めさせ、背すじの強張りを弛めていきます。

背中の部分部分に触れてもらい、無自覚な緊張を弛めていくことで、「脱力」はさらに深まります。みんなの背中の波の動きが、部屋中に広がって、海原のたゆたう光景に浸っているような感じがしてきます。

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「脱力」には、筋緊張を開放する深さに深浅のレベルがあります。一人で自分のからだの力を抜くことも出来ますが、意識が捉えられるからだの緊張は、たいへん表層的なものです。二人で協同することで、意識の届かない緊張に気付き、それを解いていくことで、深い「脱力」が可能になります。からだを覆う緊張を深くほどいて行くことで、からだ(=こころ)のイメージは、からだの日常的な実感を超えて空間へと広がっていきます。

「脱力」とは日常的に無意識のうちに担っている重荷(緊張)を降ろし、身軽になることです。感受性を開放し、自由に弾むからだ(=こころ)を体感するレッスンです。

脱力ワーク「四つ這いの動き」、次回 ② に続きます。

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