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2015年01月17日 (土) | Edit |

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レッスン(ワークショップ)の会場は、畳敷きの和室や板張りのプレイルーム、ダンス室などを使用します。裸足で床を踏むと衝撃で踵を痛めたり、寝転がると床から寒さが染みて来るような会場では、からだを弛めたり深く感じることに集中できません。コンクリートの床面に薄いリノリウムやPタイルを張った固い床のうえで、裸足で飛んだり撥ねたりすると、踵の骨だけではなく頸椎や脳にまでゴツンゴツンと衝撃が伝わります。木の床や畳は、からだの動きを無理なく受け止めてくれます。からだのレッスンをつづけていると、畳や木の床の優しさを体感させられます。

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足の裏の緊張をといて体重を床面や畳に預け、しばし床(または畳)の感じに注意を向けます。立ったままで、眼は軽く閉じて、足ウラの感覚(触覚)に集中します。考えごとをやめて、呼吸と一緒にからだの重心を床に降ろし、5~10分間、静かに足の裏や床の変化を感じてみます。

眼を瞑って足のウラに意識を向けると、始めのうちは、からだの強張りが気になり注意が逸れてしまったり、姿勢がふらふらして居心地が悪かったり、からだがギクシャクするのがひどく気になったり、考えごとに囚われてイライラして息が詰まって苦しくなったり。不快感が強く意識に昇ってくる場合があります。

そんなときには、からだの中の不快感のあれこれを、溜息をつくようにして、息と一緒に大きく吐き出します。からだの中のモヤモヤを吐く息で吹き飛ばしてリフレッシュ。欠伸(あくび)が出るようなら思い切って欠伸をしましょう。ちょっとさっぱりしたところで、ふたたび足のうらに集中します。

足のウラに集中ができるようになっても、畳の目やタイルの継ぎ目ばかりが気になる。床のザラザラ感が不愉快。無味乾燥の世界。「こんなことに長々と時間をかけるなんて意味が無い、早く終わりにしたい!」。これでは物の表面の印象に、気持ちが取られてしまっています。物(床と云う物体)と物(足のウラと云う物体)との表面的な接触です。物と物との硬直した関係です。冷たい関係を続けているとイライラしてきて当然です。

そこで、左右の足のウラに交互に重心(体重)を移動させたり、強く踏み込んで足のウラの感じを変化させてみます。足のウラで、床を擦ったり、滑らせ、掴んだりも。腰をおろして、足ウラや足首をマッサージするのも良いでしょう。

集中できないと感じたら、こんなことを繰り返しながら、足のウラの感覚を開き床への集中を深めていきます。時間をかけて、丁寧に緊張をほぐし、繰り返し床の感じへと注意を向けます。

辛抱強く、集中を繰り返すうちに、だんだん床の印象が変化してきます。みんなの中から少しづつ言葉が浮かびあがってきます。「足の裏の固さがわかる、床ってあんがい柔かい」「体重がズッシリと床にかかっていく(感じがする)」・・・「体温が床に染みこんでいく」「床と足の境がなくなってしまった」「融け合ってしまったみたい」・・・「床が気持ちいい」「からだの芯が温まる」・・・「地面(床)から樹液が(直立したからだに流れ込んで)昇っていく感じ」。それぞれ様々な、みんなの感想を聞いていると、床と自分のからだの間で足のウラを通して、なにか交流が起きて来ているようです。

そのまま、からだ(の内側)をユラユラと左右に揺らしながら、上半身を「ぶら下げ」て行きます。眼を閉じていると、ぶら下がったからだが床より深いところへと、地面のなかにまで流れ下りているみたいな感じがします。足のウラの小さな体重移動で、上半身に揺れが伝わり、ユラユラと揺れて自分のからだが空気の中に融けていくみたいです。

地面(床)の中(深み)から力(流れ)をもらって、それが足のウラを通してからだを膨らませ浮かび上がらせていくようにしながら、からだを起こします。スッキリと風を孕んだ吹流しのよう。真っすぐに立つ姿がとても素敵です。

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このような実感が、体感あるいはイメージされたとき、立つことも歩くことも、その他すべての身体行動(運動)の、自分にとっての意味合いが変わってきます。「私たち人間は、大地によって生を受け、養い育まれ生かされ続けている」そのことが実感として分かってきます。

足のウラは大地からのエネルギーの流入口です。それが閉じていては、人間の行動や表現は、おおらかさを失った神経質なものになってしまいます。また大地からからだに貫流するエネルギーの不足は、自然資源からの収奪によって埋め合わされています。自然環境を破壊することで得られる、エネルギーへの依存を増すばかりです。

どうぞ、こんなレッスンを通じて、一人一人が自分の足もとやからだ(からだも自然の一部です)を見直してみて下さい。そこにこそ宝の山が埋もれているかもしれません。

レッスン模様まだまだつづきそうです。では次回に。

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