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2015年01月14日 (水) | Edit |

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床に仰むけ(上向き)に寝転んだ、相手(相方・パートナー)の横に腰をおろしましす。床に置かれている相手の右腕を、下から掬いとるようにして両手に載せます。御神輿を担ぐように、ユサユサと、腕を軽く上下に弾ませます。力が抜けてくると、腕の緊張(筋肉)がとけて、柔らかプリプリフワフワの水枕みたい。相手の腕の重さが、居眠りして正体無くした時のように、手のひらの上でずっしりとしてきます。力が入っているときには固い棒のように感じていた腕が、力を抜くとこんなに軟らかくて重い。

こんどは、手首を握って、クレーンで釣り上げるみたいに腕を持ち上げてみます。宙づり状態です。ところが、降ろそうとすると相手の腕が棒のように固まってくる。肘(ひじ)を固めている(緊張させている)ので、腕全体がつっかえ棒になってしまい、床におろすことができません。相手の顔をみると眼を閉じて素知らぬ顔。当人は肘に力を入れているつもりは無いようです。

「肘に力が入っていますが?」問いかけると、相手は怪訝な顔。半信半疑で自分の腕をみると、腕が棒のように突っ張っている。「ホントだ!」と、あわてて肘の緊張をゆるめて腕を床におろします。

もういちど手首を握って、腕を吊り上げようとすると、相手の肘がまたギュッと固まる。腕が棒になってしまいます。「また力が入りましたけど?」、さすがに二回目となると「えっ!?」という表情。自分でビックリしています。「意識して自分の腕を持ち上げようとしているわけではないのに、腕が自動的に持ちあがってくる!」こんどは一生処命に力を抜こうと努力するのですが、意識すればするほどに、ますます力が入ってくる。目を瞑っていながらも、眉をしかめて必死です(笑)

「腕を支えている私の手を感じて、私の手にあなたの手の重さを委ねてください。息を深く楽にして。」肘の力が抜けて来て、腕の重さがずっしりしてきます。肘の緊張が抜けていきます。相手は何となく頼りなそうな表情ですが、腕はホッとして静かに床に横たわっています。

≪当人は、からだに力を入れている(緊張している)つもりが全く無いのに、(相手に調べてもらうと)無意識のうちに力が入っているということが良くあります。自分では意識できていないからだの緊張に気付き、それを解除していくことが、「姿勢・呼吸・声・言葉のレッスン」では、重要なポイントになってきます。≫

もういちど相手の右腕を、床から掬いとるようにして両手に載せます。両手のひらの上で腕を弾ませ揺らします。赤ん坊を抱いて優しく揺らしている、あの感じです。ぐったりと重さが手にかかり、腕の中身は水が入っていてユラユラ揺れるよう。さらに深く力が抜けてきます。そっと床におろします。

「(揺らされた)右腕の感じはどうですか?」相手に聞いてみます。「(腕が)無くなってしまったみたい」、では、「まだ揺らしていない左腕の感じは?」「腕が在る感じがする」。そう言われて、こちらからも相手の左右の腕を見比べてみます。たしかにゆらした方が、ふんわり柔らかい感じがします。色つやも良くなって、生き生きとした明るい感じに見えます。長さも伸びたみたい。まだ(揺らしていない側の腕)の方は、固い感じ、重々しく暗い感じ、丸太ん棒みたいに中身がギッシリ詰まっている、小さく縮こまっている感じ。相手にそれを伝えると、気持ちよさそうな声で「その言われた感じが良く分かる」。目をつぶっていても、左右で腕の感じが変わってしまったのが、良く分かるそうです。

さらに、手首や肘と肩もさまざまに揺らします。首や頭を転がし回してみたり、胴体を揺らしたりと、順々にからだの部分部分を揺らして行って、からだ全体の緊張を弛めます。

最後に、両足のかかとを両手のひらで支えて、足もとからからだを通して頭の方へ向かって、波を伝えます。細やかに滑らかに、何処にも滞りなく、波がからだの隅々までを揺らし、通り抜けて行く感じです。背中は床にペッタリとついて、姿勢の強張りが無くなっています。からだの内側を締め付け歪めていた強張り・力み(緊張)が抜け落ちたようです。

寝転がっている相手に、揺すられていてるときの印象を聞くと、『からだを揺らされていると、ちょっと普段動くときとは違う感じがする。言葉にしがたい感じだけど。。。普段のからだの実感が無くなってしまうというか。。。目を瞑っていると、からだの表面で皮膚の輪郭がさざ波のように動いているのは、微かに分かるけど、からだの内部は実感が無い。重さも感じなくて、ちょっと変だけど「無くなってしまった感じが在る」と云うか。。。その感じに注意を置いていると、内側と外側を囲んでいる周りの景色との区別もなくなり揺れている感じも消えて無くなってしまう。静かな湖水深くに身を浸し、自分のからだも湖水に溶け込んでしまい、湖水の揺蕩う(たゆたう)ままにしているというか。。。喩えようもなく心地よくて、なにか懐かしい感じもしていました。』交代して揺らしを体験します。

≪自分で行う動作は、意識に縛られていて、感覚的には非常に目の粗い大雑把なものです。からだの隅々まで、細やかに気を配ることは、なかなか一人では難しい。からだを揺らし、波を伝えてもらうことは、自分の動きではない他者の動き、異質のリズムやテンポの動き(動きのイメージ)を、自分のからだの中に受け入れることです。そのおかげで、普段は手つかずのからだの隅々の部分まで、力が抜けて動きが滑らかに、生き生きとしてきます。姿勢も整って背すじが伸び、からだの動きも滑らかにで軽くなります。地に足が着き、息も自然と深くなる。もちろん心も軽くなります。≫

次回、レッスン模様につづく。

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