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2013年09月27日 (金) | Edit |
2013年8月31日 第14回 人間と演劇研究所からだとことばのレッスンWS
 今回は、歌を目指してレッスンを進行しました。と云っても歌を上手に歌うことが目的ではありません。あくまで言葉のレッスンとして、歌詞の背景に描かれた世界を掘り起こしながら言葉を語っていく。一人一人の意識の古層にあるイメージ、無意識の世界が、歌詞を媒介に現前してくる、、、。
  
 いつものように、からだほぐしからスタートです。野口体操の「ぶら下がり」の動きを中心に、身体全体の緊張を緩めて行きました。

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 からだの内側に動きを通して力を抜き、地面から湧き上がる流れにまかせて、からだが天頂に向かって吹き抜け吹き上がるように。
  
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 声を出すということは、息(呼吸)が身体と云う管楽器を吹き鳴らす。「息」そのものが楽器の奏者となります。ところが、皆さん、声を出すためには、意識的に緊張努力をして声を作り出さなければならないと信じている模様です。そのため声を出そうとすると、胸や喉についつい力を込めて「息」を縛ってしまいます。重心が胸から上に持ち上げられ、安定を取るために、脚部は棒のように固められて息の通り道が閉ざされます。
  
 こうなるともう発声機械=スピーカーです。意識の指令によって、如何に正確に、如何に美しい音声を作り出すかということが、歌うという行為に置き換わり、その巧みさが歌の上手さの評価になる。言葉のイメージに触発されて無意識の中から動き出す、感情や息遣いのリズムは無視されてしまう。

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 丁寧に身体の各部分の緊張をほぐし、十分に声が開かれたところで、「赤とんぼ」を歌いました。息を深くゆったりと。「夕焼け小焼けの赤とんぼ おわれて見たのはいつの日か」「山の畑の桑の実を 小籠に摘んだは幻か」「十五で姉やは嫁に行き お里の便りも絶え果てた」「夕焼け小焼けの赤とんぼ とまっているよ竿の先」。こんな素朴な歌詞が、心の彩をみんなのからだの中かから、引き出してくれました。
参加された皆さんの感想
R.Tさん
あたらしく ひらいていく「あ」が 見えてくるように,
花がひらくように
からだが 心に向かって ひらいていくようでした。

この夏は、過去の整理のつかないものと向き合って、
みえてくるものがありました。
声を出すことは望んでいることで、 自分の助けに
なっているのかもしれないと思いました。

ありがとうございました。
K.Mさん
からだと こころが ほぐれ、よりいっそう近づけたかなあと感じ取る
事が 出来ました。 気持ち良かったです。
      ありがとうございました。
A.Wさん
今日は“まなざし”という言葉を聞いて、
何か、ゆるめようと力をこめるのではなくて、
ただ、そこを見ているゆるやかな“まなざし”
そんな“ゆるやかさ”が、からだが
ゆるんでゆくのをたすけるのだだなあと感じました。
K.Kさん
家を出てくる時は すごく体が重くて だるくて つらかったのですが
終わってみて、体もスッキリ、気持ちも軽くて 参加させて頂いて
よかったです。
久しぶりに 歌もうたって、体がゆるんで、最高です!
ありがとうございました。
又 参加させて頂きたいです。
Y.Kさん
3時間があっという間に すぎました。
身体をじっくりと、ていねいに感じるなかで
少しずつ 自分と 自分の身体が一つになって行き、
気づくと、ずいぶんと 自然体になっていました。
身体、呼吸、声が一つになるのは、
気持ちよく、生きていることの幸せをかんじます。
ありがとうございました。
M.Yさん
最近は「型」を学ぶ事をやってきたように思いますが、からだの声を聞き、
自分と 向き合う時間が 持てたことが 良かったです。
自分が気持ちよくなったり、声が 変わったりするのも
うれしいですが、他の方が 変わる様子を見るのも、
こちらまで うれしくなるものなんですね。
楽しかったです。  ありがとうございました。
S.Mさん
息をつかう。足ひざをやわらかくつかうこと
自分がやる意識と 動かされるという意識

能の世界とつながるように感じました。その動かされ
る世界への門に入ること。おもしろく、今後の
生活表現に活かせればと思います。
Y.Sさん
とても 濃い時間でした。
ここ2、3日 自分でも息が入らないなぁ」と感じていましたが
ぶら下げで 足の裏を意識しただけで 入るようになりました。

からだほぐしでは 身体の中に抑えていた 悲しみや 怒りが
表面に出てきて 涙と咳となって 消えていきました。
背中に当てていただいた手がとても温かく
「無理しなくていいんだなあ」と安心しました.

今、シマ唄や倍音でない ふつうの歌を歌おうとしていて
夕焼け小焼けをうたったことは とても大きな学びに
なりました。

どうも ありがとうございました(^o^)
瀬戸嶋より
 私は宮沢賢治さんの童話作品を何度も舞台に載せてきています。彼の作品の面白さは、声にして読む時に生まれてくる力強いリズムにあります。日本語の言葉で書かれた譜面とでも言いましょうか、その独特のリズムに導かれて、朗読者の心の奥から、森の中や草原、銀河のほとりの光景や風光が舞台に引き出されて、劇場を満たします。
 ある時の舞台本番、賢治童話『鹿踊りのはじまり』の上演の最中に、劇場の中を一陣の風が吹き抜けて行きました。密閉した定員40名ほどの小さな劇場です。風が吹くはずのないところに風が吹き渡る。これが想像力の働きです。
 言葉にはこんな力があります。歌も同じです。歌詞の持つ世界を呼び覚まし、想像世界を皆で共有し、いっとき日常を離れて、いのちの風光の中に生きる。
 こんな意味での『ことば』のあり方を、しばらくの間レッスンの中で、大切に探っていきたいと思っています。
 レッスンの報告をご覧いただきありがとうございます。レッスンの開催につきましては、人間と演劇研究所ホームページでご案内しています。よろしくお願いします。

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